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電磁超音波(EMAT)の原理
EMATとは、電磁場を通じて金属材料中で超音波を発生させる方法です。
これまでの超音波は圧電素子が超音波を発生し、接触媒質を経由して測定物に伝搬し、信号を送受信していました。
EMATでは被測定物と直接接触する必要もなく、水や油などの接触媒質も必要がありません。
オンラインやスキャニングを要する連続測定には大変に有利な検査手法です。接触媒質不要のため、送受信も安定しています。
磁場の設定方法により、発信する波の種類や方向をコントロールすることが可能です。縦波、横波、SH波そして棒材やパイプ材を回転しながら進むガイドウェーブも利用できる特徴があります。
超音波の発生:
送信:
- * 電流(I)が流れると、金属材料の表面で渦電流が発生します。
- * 静磁場(B)の中に渦電流が存在すると、材料中で機械的フォース(F)が発生します。
- * 一定の周波数で電流(バースト波)をコントロールすると機械的振動・超音波が発生されます。
受信:
- * 送信と逆の手順で、静磁場の中の超音波振動は受信コイルに電圧を発生させます。
- * 電気信号は従来と同じく、本体に送られ表示されます。
EMATのタイプ:
磁場の配置によってEMATのタイプは2つに分類されます。
ローレンツ力タイプ(下図左)
静磁場は渦電流に対して垂直に配置され最大のローレンツ力が得られます。
電歪効果タイプ:
静磁場を接線横方向に配置し、誘導磁場により磁歪変化を発生します。
通常は信号感度の高い電歪効果タイプを使用しますが、アルミ等の非磁性材料などの用途にはローレンツ力タイプを使用します。
静磁場(磁石):
永久磁石と電磁石が使用出来ます。ポータブルでは永久磁石を、システムでは電磁石を使用します。
EMATの応用範囲:
EMATでは信号のパターン、周波数も電気的に設定、選択が可能です
厚さ測定や内外面の無い探傷には、弾性波が適用出来ます。
パイプなどの内外面がある場合にはガイド波が適用出来ます。
EMATではガイド波の最適周波数が電気的に設定出来ますので、圧電素子と比べ効率、SN比に優れます。
縦波と横波は圧電素子で一般的に使用されるモードです。
SH波はEMAT特有の応用範囲の広いモードです。
コイル:
現代のコイルは、以前のような糸巻きコイルではなく、フィルムパターンで製作され自由度が格段に向上されました。
レイアウト:
様々なコイルが豊富に用意されています。選択につきましてはご相談ください。