これまでの超音波を用いた検査方法は、1つの振動子からの送受信で行われ、分解能を上げようとするとビームを細く、小さく絞って使用されてきました。このため、高い分解能で面の探傷を行おうとすると、細いビームのプローブを細かくスキャンして画像化を行う必要があり、長い測定時間を必要とされてきました。 ここにご紹介する超音波CCDカメラは、0.08mmの超音波電歪素子が縦・横に128個づつ配列され、合計で16,384個の素子を有しています。まさに超音波CCDと言う言葉でご理解いただけるものと思われます。16,384個の素子は、1つ1つがプローブとして機能しますので、これまでのスキャニングを行っていた1ショットに対応します。その結果、1瞬にして16,384ショットのデータが得られ、1瞬にして画像を表示できることになります。超音波検査の革命的発明と言える製品です。 放射線の影響無しに材料や人体の透視図が得られます。放射線では見えない血管までも! |
Innovation! Ultrasonic CCD Camera |
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使用方法 送信は従来と同じ単一振動子のプローブ(32x32mm)から広い範囲に超音波を発信します。検査物を透過した超音波は、材料中の組成、欠陥によって反射、散乱、減衰の影響を受け、通過信号の音圧を変化させます。この変化された信号を、音響レンズを経由してCCDで受信し、振幅に比例した濃淡を付けて画像として表示させます。送信プローブ-CCD間の距離と、音響レンズのズーム調整によって、1画像に表示される検査面積の大きさが変わります。素子の大きさは、約10x10mmです。画像サイズが10x10mmの時には、分解能は0.08mmとなり、20x20mmサイズを表示すると分解能は0.16mmとなります。基本的には、透過法でも、反射法でも使用でき、様々な用途が考えられます。 |
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C-Scanイメージ 各素子の信号はカメラコントロールユニットで変換され、パソコンのDSPボードに送られ、一瞬にしてC-Scan画像が表示されます。画面は毎秒60画像の速度で更新されます。連続して流される信号は、マテック独自のソフトウェアーで表示されます。PCソフトは、カメラコントロールユニットもコントロールします。この一連の、繰り返し処理によって、リアルタイムの動画としてC-Scan画像が連続的に表示されます。大きな測定物を幾つかのフレームに分けて画像を取り込めば、分解能を保ちながら全面検査が高速で行えます。ノイズ防御のために、ゲートを設定してゲート内信号のみを取り込みます。ゲート位置はパソコンで制御され、50~400mmの範囲で設定できます。ゲート幅は約10mmです。 |
従来のスキャニングとの比較
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人差し指第2関節部側面から 右の写真をクリックすると、Mpegファイルのムービーがご覧いただけます。 (Mpegプレイヤーが必要です。例:Mediaplayer Download Site) |
IC内部透過 | |||
用 途 | システム構成
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工業用用途 | クラック検査 | |||
医療用用途 | ボイド(巣) | |||
皮膚組織検査 | 胸部生体検査 | |||
衝撃ダメージ | 軟骨、筋検査 | |||
剥離・ラミネーション | 血管検査 | |||
腐食 | 捻挫、脱臼検査 | |||
材質変化 | バイオテクノロジ |